家を探すとき、最初に考えることは、「どこに住むか」。つまり、立地だ。多くの人は、現在住んでいる沿線から離れたくないと思う。慣れ親しんだ電車の沿線で、今よりも上り方面の、できれば終点駅(首都圏の場合、都心)に近く、しかも駅に近い場所。これが、最初に考える「理想的な立地」だ。ところが、誰でも住みたくなるような場所の土地は高い。土地が高ければ、そこに建設されるマンションも建売住宅も高くなる。もし、誰もが住みたくなるような地域で、相場よりも安い住宅が売りに出されたら、逆に、何かあると疑ったほうがよい。もちろん、難点のない場所の家を買えるだけのお金を持っていれば、なんの問題もない。しかし、予算が限られている人(多くの人がそうだ)は、なんらかの妥協をしなければならない。例えば、もう少し下った駅にする、駅から歩ける場所はあきらめてバス便にする、その沿線はあきらめて同じ通勤時間でより土地が安いエリアにするなど、方法や程度は異なるものの、なんらかの妥協をしなければならないのが、現代日本の実情だ。ただし、妥協の程度が大きいと、住んでからの不満も大きくなる。そこで大切なのは、妥協した反面、こんないいこともあるという利点のある場所に家を買うことだ。例えば、今は駅からバス便だが、やがて近くに新しい鉄道が通る計画がある、というのは利点になる。新線計画は、当分先の話でよい。「まだまだ当分先」という時期のほうが、安く家が買えるし、将来の楽しみもあるわけだ。マンションの立地では、住宅地に隣接した準工業地帯も狙い目。近い将来、住宅地として再開発される可能性が高く、住宅地化したときには土地の値段が必ず上がるからだ。それに、軽作業の工場の地域だから、騒音や悪臭の心配も少ない。また、都心から30分の住宅地に住みたかったが、結局は、1時間半もかかる場所になってしまっても、まわりには緑が多く、空気もきれいだったり、海が近かったりすると、十分利点があるといえる。
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