家の間取りを全般的に見わたしてみると、家の基本設計は日本古来の「田の字型造り」となってますが、そこに西欧的な間取りが取り入れられていることがわかります。部屋を機能別に仕切ることで、本来、ひと間続きであるはずの部屋をそれぞれ孤立させてしまっている点を解説するために、I家の生活動線を想定してみましょう。帰宅した息子は、家族の顔を見ることなく自室に直行することが可能であり、父親の寝室も玄関に直結しているので、家族に顔をあわせる機会は少なかったと思われます。
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また、それぞれの自室から食堂に集まることはあったとしても、食事が済めば、そのまま自室に。お風呂やトイレを使うときにも自室から直接アクセスすることができます。仮にリビングでのひとときを楽しむことがあったとしても、母親が寝室としていた和室は常にひっそりとしていたはずです。つまりこの家の各部屋は、機能とともに分散されていると同時に、それぞれが孤立した状態で暮らすことを可能にしていたといえるでしょう。