今この瞬間にも住宅ローンの返済をしている人はたくさんいます。住宅ローンの金利を上げれば、今借りている人たちの返済にも影響を及ぼします。景気回復といっても、給料の見直しはたいてい年に1回ですし、給料で景気回復を実感している人は今のところさほど多くないのが実情でしょう。つまり、住宅ローンの金利を上げるということは、今貸し出し中のローンが焦げつくリスクも上がるということです。ようやく中小企業の貸し倒れなど不良債権の処理が終わり、公的資金を返済し、体質改善の進んだ銀行が今、個人の破産者を出すような策を選択すると思いますか?返済の滞るリスクは銀行ではなく、保証会社にあるといったところで、その保証会社は銀行の関連会社です。
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それに消費者金融に対する利息の過払いなどの件で、返済について監督官庁はもちろん、世間の目は厳しくなっています。しかも銀行は、税金で救われて、何百億円、何千億円もの最終利益を出しても、諸々の手数料はしっかりと収っています。「そのうえローンの金利まで上げるのか!」という悪評も無視できません。法的緩和が解除されて、ローン金利だけでなく預金金利も上昇したのは、そうした「顧客の声」が少なからず影響したのです。なにより、金利が急上昇したら「家を買うのはやめようか」と思う人が増えます。そうなると銀行は儲かりませんし、住宅建築によってもたらされるであろう経済効果も見込めなくなり、またデフレを誘発する悪循環にもなりかねません。そのため、ローン金利の急上昇は抑制されるということです。